眠る時に何を着て寝ていますか? 外出着のままは論外ですが、部屋着やスポーツウェアでは寝心地が悪いので知らないうちに眠りを妨げていたり、眠りの質を下げたりしています。
眠りにはパジャマが最適な理由
部屋着やスポーツウェアは布団の中で着ることを想定して作られてはいません。快適に眠るための「寝床内気候」は32~34℃です。布団の中で着るには暑すぎます。また、ストレッチ素材は身体を締め付けたり、ごわごわした素材は肌を刺激して寝苦しくなります。部屋着やスポーツウェアのように暑すぎず、浴衣のようにはだけないパジャマが一番、適しています。何より、眠るために作られている服がパジャマなので、最適なのは当然なのです。
すべてのパジャマが眠りに適しているわけではない
市販のパジャマのすべてが眠りに適しているかと言えば、そうでもありません。寝心地よりファッション性や価格が重視されているパジャマが多いようです。眠りは軽んじられてきたので、パジャマも同様なのでしょう。
最近になって、眠りを見直す動きが増え、メーカーでもより眠りに適したパジャマが考えられるようになりました。有名な所ではワコールの「睡眠科学」、グンゼの「快眠ナビ」、カイタックの「快眠ラボ」のシリーズです。高品質ですが、価格もお高めなのが残念です。
眠りに適したパジャマのポイント
まず、体を締めつけないゆったりしたものであること。綿などの肌に優しい素材であること。ゆったりしていれば寝返りしても身体の動きが制限されないので、寝返りで目が覚めません。また、血行不良の原因にもならないので体温調節がしやすくなります。寝ている間は汗を多くかくので吸湿性と肌触りの良い素材が向いています。あと、繰り返しの洗濯に強いことも大事です。

良いパジャマの条件
- 体を締めつけず、ゆったりとしているもの
- 吸湿性、通気性にすぐれた綿などの肌ざわりがいい素材
- ウエストは締めつけ感のないもの
- 襟付きか襟元があまり大きく開いていないもの
- パンツの丈がちょうどいいもの
- 保温性のあるもの
- 繰り返し、洗濯しても丈夫なもの
襟が大きく開いたものは首や肩が冷えて寝つきにくいばかりか風邪の原因にもなります。パンツの長さも短すぎると寒いし、長すぎるとひきずって危険です。空気の層ができる軽くて適度な保温性があるものがいいです。布団から出たとき何か一枚、羽織りたいぐらいがちょうどいいくらいです。
入眠儀式とパジャマ
パジャマのもう一つの役割は「入眠儀式」です。パジャマに着替えたら、不思議とリラックスしませんか。 パジャマを着たら「もう眠る時間だ」と心と身体に覚えこませて眠気のスイッチが入るようにするのです。男性がネクタイで仕事モードになるのと同じです。長年、習慣づけた行動は不思議とその時の気持ちを呼び起こすことができるのです。
あとがき
私もつい、部屋着で寝てしまったことがあります。寝苦しくて疲れがとれませんでした。パジャマで困るのは冬。起毛の敷きパッドに起毛素材のパジャマだと摩擦で寝返りがしづらいのに、お店はフリースなどの起毛素材ばかり。不眠のおかげでパジャマの選び方も変わりました。少し前に夫用に買ったパジャマは綿のダブルガーゼ。前開きで襟元も開きすぎず、脇に縫い目が無いから寝返りがラクみたいです。